イタリア駐在が決まりここへ来る前、塩野七生さんの「ローマ人の物語」文庫本を読み出して、はまった。
それから塩野さんの本を読み漁る。
ローマ人の物語は今年文庫になった3冊は既に読んだ。
が、正直、塩野さんの小説はすばらしいが、エッセイは、独善的で傲慢な匂いがして、塩野さんその人はどうも好きになれんと思った。
で、今年在イタリア日本商工会議所の理事なる役職を拝命した。
一人駐在員にて多忙とか理由つけたが、断りきれず、拝命した。
で、先週金、土曜日とローマにて、ローマ所在企業(トヨタ、ブリジストンなど)との年1度の合同理事会に参加。
ちなみに、有難くも担当させて頂いた「個人情報取扱い法律セミナー」開催を除いて、これが最初の理事会参加。
ちなみに理事会は毎月ミラノ商工会議所で昼開催されているが。
で、ローマで金曜理事会終了後、有難くも当該ローマでの理事会参加メンバーを招いてのローマ在日本大使館で晩餐会開催して頂く。
が、堅苦しい場が苦手な俺自身は事前通知時、ものすごうネガテッヴ。
が、ローマ出発前、大使がゲストに塩野七生さんを招待し、塩野さん快諾。
心躍る!
で、大使の計らいで、夕食時は4つある各テーブルに塩野さんが順番に着席。
俺は着席横の席を陣取って待つこと1時間半。
うちのテーブルには最後に来た。
塩野さん、来られた時には、俺は既にワイン飲みすぎで、へべれけ。
が、塩野さんもかなり飲まれたようで、半分へべれけ。
最初はみんな当たり障りのないこと聞いたり、会話してたが、俺が一番聞きたかったことをストレートに聞いた。
「塩野さんは、なぜいつも、あんなにつっぱっているんですか?」
「えっ、私がつっぱっている?」
周りが慌てて
「いえ、いえ、つっぱってなんかいません。」
で、俺は
「いえ、いえ、つっぱっています。その理由(原因、きっかけ)を知りたい。」
「つっぱっていますかねえ。」
「はい。」
返事は得れんかった。
けど、あの方、予想に反して、むちゃくちゃ気さくで面白く、おばあちゃんやけど、かわいい人やった。
いまだ、大人になりきれず(なる気なく)とがってて、それでもユーモアがあって。
食事終わって、みんなテラスに出て談笑してるのに、うちのテーブルだけが塩野さんを独占して話してたんで、大使が
「そろそろ、テラスでみなさんとご一緒しましょう。」
と声をかけられた。
おおっ~、グラッパ3杯飲んで、塩野さんしか視界になく、すっかり大使公邸にいること忘れたわ。
けど、塩野さんもきっと同じと信じたい!
で、テラスに出て塩野さん囲んでまた談笑。
三井、三菱、丸紅など大手現地社長、大手銀行社長などのVIPがいること忘れ、塩野さんの横について、彼女との会話を強引に楽しませて頂いた。
翌日、聞いた話によると、俺の大声と笑い声が一番大きく響きわたり、大使は塩野さんを囲む輪に入れず、輪の周りをぐるぐる歩いてたとのこと。
更には塩野さんが、ミラノスカラ座に行きたいと言われた際、
「お任せください。我社はスポンサー。更にミラノに来られた際は私のアパートを貸し与えます。是非私のアパートにお泊りください。私はホテルに泊まります。」
と話してたとのこと。
更に飲み続けたグラッパにて、大使公邸で記憶を少しだけ喪失した気もせんでもない。
翌日、商工会議所会頭三菱商事イタリア社長はじめ各皆様に晩餐会での酔態をお詫びをして回った。
で、会頭は
「で、君、未だ独身らしいね。塩野さん口説いてたけど、頑張りたまへ。」と。
「は、独身ですが、流石に70歳を超える塩野さんはターゲットにならんかと。」
「けど、昨夜、結構真剣に 「私のアパートへお越しください」と誘っととぞ。」と。
う~む、俺の標的は以外と広かったんやな???
気づかんかった。
で、これでなんで独身なんや??
と、ふと考える秋のミラノで一人で過ごす夜。