イタリアでは間違いなく今、超日本ブーム。
まず、日本食。
イタリア、中でもミラノは超日本食ブームで私のお気に入り和食レストランミラノの「大阪」のお客も大半がイタリア人。
日本食レストランにいるイタリア人はみんな箸の使い方も上手で、またランチでラーメンやカレーを食べるイタリア人も多数いる。
また、ここミラノでは日本食レストランに行くことは、ハイセンスと思われ、日本食好き=トレンディー・オシャレ、となる。
ミラネーゼ*を自称する連中は贔屓の日本食レストランを数件は持たないと駄目らしい。
但し、ミラノにはかなりの日本食レストランがあるが、本物は10%くらい(独断)でほとんどは金儲けに敏感で、それに長けた中国人がコピーしたレストラン。
ノブ*に行けない自称ミラネ-ゼの多くはこの手のコピー日本食レストランで経験浅い中国人板前に握ってもらった寿司に似たものを「ボーノ!」と喜んで食っている。
*ミラネーゼ:本来ミラノ生まれのイタリア人意味だが、時にミラノに住むオシャレで洗練された都会派イタリア人の意味にも。少なからぬイタリア人にはスノビッシュと嫌われる。私も大嫌いだが、そうなろうとする自分がある。
*ノブ:有名サッカー選手やモデル達御用達のモンテナポレオーネ*近くピッソーニ通りにあるアルマーニプロデュース日本食レストラン。
*モンテナポレオーネ通り:グッチ、アルマーニ、ベルサーチ、ゼニヤ、フェラガモなどイタリアを代表するブランドを中心としたショップの連なるミラノにある通り。
通りには最新モデルのフェラーリ、ランボルギーニ、アストンマーチンなどが駐車されていることが多い。
観光・ショッピング名所でもあり、私はじめミーハーな外人客が多い。
最近は日本人より、中国人、ロシア人が多い。
アニメ
大昔の日本のテレビアニメはイタリア人にも数十年遅れてブームとなっている。
出張先のホテルでタイガーマスクがテレビで放映されててびっくり。
ルパン3世は日本以上に人気で宮崎駿の「カリオストロの城」はイタリア人には超人気、超有名。
我社のアイドル的存在だったマーケティング部門のバレリアなどは幼い頃テレビ「アタックナンバーワン」を見て感動してバレーボールを始めたという経歴を持つ。
ちなみにバレリアは28歳。残念ながら昨年ペルージャの彼氏と同居するため退社。
映画
イタリアでは、世界の明黒澤人気と評価は大きく日本を凌ぐこと当然ながら、ベネチア映画祭で受賞経歴を持つ北野武はここでは映画監督として有名で、また映画監督としての人気は日本の比ではない。
彼のコメディアンの別の顔を知るイタリア人は極めて少ない。
彼らの作品はビデオ店に並び人気で多くの熱狂的イタリア人ファンを持つ。
サムライ
その昔、アメリカでは忍者がすごいブームでショー小杉などはそのブームで大ブレイクしてたけど、流石ここイタリアではサムライの生き方、その存在などが関心の的。
数年前、農林水産大臣土井勝利氏が自殺した際は、「サムライとしてハラキリの如く死で罪をあがなった。」と真剣に私に話すイタリア人もいた。
私自身好きではないけど、映画「ラストサムライ」の影響は否定できない。
「七人の侍」始め黒澤映画の影響なら嬉しいけど。
ゲイシャ
女性からはこの言葉もよく聞く。
イタリアでは「ゲイシャ」?なる映画も結構人気があるみたい。ちなみに私は観たことない。
けど、そこから日本に存在する立居振る舞い、躾なるものを教える様々な道・技、更に「活花」、「茶道」など素朴にに美しく飾る技、客を持て成す心と作法などにもイタリア人の興味の対象広がっている様子。
浮世絵
これは上述の比べどれほどブームかわかりません。
私自身の経験から感じただけ。
昨年のある日、寿司好きの会社の総務・人事部長が、ミラノで大学に通う甥っ子がその日20歳の誕生日で本物の日本食をご馳走したいというので、3人で俺のお気に入りレストラン大阪へ行きディナーをご馳走した。
「僕は日本が好きでいつか是非行きたいと思っています。」
と彼曰く。
「君にとっての日本のイメージは?」
私、彼に聞く
「大きな波しぶき。美しいフジヤマ。」
「?????」
なんじゃ、そりゃ。
と、深く聞くと、そのイメージは北斎ではありませんか。
「君、日本の浮世絵を見たんだね?それでそのイメージが日本になってるんだね?」
「はい、ある日本の絵を見て、それが衝撃的に強く心に残っています。」
北斎はじめ日本の浮世絵は19世紀初頭ゴッフォや印象派の画家に強い影響を与えて、当時日本以上に重宝されたこと有名。
日本人の自分が若い頃「けったいな絵やなあ。」としか思えなかった浮世絵は、今尚イタリアの青年の心に強い衝撃を与えます。
空手
イタリア人は空手好き。
我社のセールスエリアリーダーであるアルフォンソは空手黒帯、ナポリの道場では師範代をしていた。
また、先日スポーツクラブのロッカールームでいきなり身も知らぬ青年が
「日本の学校では空手を教えているのか?」といきなり挨拶抜きで聞いてきた。
「日本の学校では空手は教えていないが、男子は高校で柔道か剣道を学ぶ。」
と独断と偏見を伝えた。その方が日本人のイメージがいいやろうと。
その青年曰く
「昨夜テレビで「空手キッド」の映画を観て、感動した。俺も空手を学びたいねん。」
ちなみに、その彼はテッコンドーとブルース・リー(イタリアでは日本と同じくらい人気者)も日本のものと思って熱く語っていたので、空手、テッコンドー、カンフーの違いなどを解説してあげました。
それだけでなく、ここイタリアに来てからというものイタリア人からの空手や格闘技関連の初対面いきなり質問攻撃、会話始めは数え切れないくらいある。
但し、この現象の背景は未だ不明。
俺が日本人だからか、それとも俺が俺だからか?
というのは、上述の話を日本人仲間に何度も話すも、未だ同じ経験をした日本人を一人も発見できない。
これは自分の中で謎である。
昨年、会社のイタリア人仲間と近所の新しいスポーツクラブ見学した際も、案内役の若いイタリア女性から
「ここでは、エアロビクスだけでなく、サイクリング、ダンス、ヨガ始め数多くのコースが毎日あります。」
と、説明した後、質問もせずボーっとしていた俺を見て
「貴方にはキックボクシングもあるので、ご安心を。」
と言われ、仲間から爆笑された。
これは日本人だからか?
それとも俺だからか?
それとも俺がジャッキーチェンに似ている*とよく言われるからか?
ジャッキーチェンに似ている*:
日本人には一度も言われたことなく、本人は同意できない。
が、過日ミラノの地下鉄で若者にジロジロ見られ、すれ違った際「ジャッキーチェン!」と言い小走りに逃げて行かれた経験あり。
昨年ベルギー出張時、一人街中ぶらついてるとカフェにいる若者軍団の一人が俺を見て、他の連中と俺を指差してジロジロ見ながら話し始め、その会話にジャッキーチェンの言葉が何度か聞こえる。
俺はツトツトと彼らのテーブル近くまで行き、「君たち、私はジャッキーチェンとはなんの縁もゆかりもない日本人だよ。それに彼は中国人だよ。」とわけのわからんことをいった経歴を持つ。
更にミラノ赴任前、アジア営業担当時、タイ出張し、バンコク空港でフットマッサージを受けていた際、多くの若いタイ女性マッサージャーが俺を見ながらくすくす笑い話し出す。その会話にジャッキーチェンの言葉が聴かれる。彼女らに対してフットマッサージを受けながら「君たち、私はジャッキーチェンとはなんの縁もゆかりもない日本人だよ。それに彼は中国人だよ。」とわけのわからんことを言った経歴を持つ。
更にイタリア赴任直前、担当していたフィリピン取引先代理店からプレゼントされた、私の初回代理店訪問から私が参加したフィリピンでの様々なイベントを写真で綴ったビデオムービーの出だしは「Look like Jackie Chan!」でジャッキーチェンの写真の顔だけを俺に変えた写真が横に。(ちなみに最後は「We will always treasure your partnership and friendship」、泣かせるねえ。)
またその会社では俺のジャッキー似は当初から評判になっていたらしく、約半年後カミングアウトして社員一同からジャッキーチェンといわれるようになった経歴を持つ。
さて、話をまとめるて、結論を言えば
「イタリア人は日本好き、日本びいき」
これだけは間違いありません。
それで私自身も何度となく、イタリア人に声かけられ、好意を持って接しられ、トクしてます。
証拠となる実体験は次回Discoteca(ディスコ)編で紹介します。
ちなみに、モンテナポレオーネにあるベルサーチ紳士服のCommesso(店員)連中は超のつく日本好きが何人かいます。
「常に最先端技術を持ち、精密なものを作る日本人は素晴らしい。しかも、独自の美しい文化を持つ。俺もいつか、きっと、日本に行きたい。」
私がベルサーチに行った際には片言の日本語だけでなく、いつも愛情を持って長々と日本についての思いを熱く話してくれます。
みなさん、是非、旬の今、日本人として自尊心と優越感を持ってイタリアミラノに遊びに来てください。